暑過ぎた夏も終わり、急に涼しく秋らしくなってきましたが、この猛暑の中、梅雨明けから工事させていただいた現場の施工例をご紹介します。
昭和七年に建てられた築80年の木造住宅で、日本瓦葺きの屋根葺き替え工事です。
以前の日本瓦は、下地に多くの土が使われていましたが、今では耐震を考えて土をほとんど使いません。
今回も、全ての土を取り除き、下地の木材も張り替え、木製の桟を打ち付けてから、瓦を釘で固定します。
屋根を軽くすることで、骨組みへの負荷を軽減し、見た目は変わらず和風の雰囲気をそのまま残す事が出来ます。
こちらは内部の天井ですが、雨漏れでシミ跡が残っています。
新しく天井を張り替えました。天井板・竿・廻り縁共に赤杉の無垢材を使用しています。
赤杉の無垢材は、後で手垢が出てくることが多いので、米ぬかを炒って布袋に詰めて、丁寧に磨き上げました。
天然木の木目、色合いは自然が作り出した世界にひとつしかない柄で、いつまでも飽きることなく、これから何十年と癒し続けてくれるでしょう。
畳の方も、かなりくたびれていて、下地の木材から取替をしました。
床下の補強も終わり、新しい畳が入りました。
畳表は「熊本産:ひのはるか」を使用していただきました。
これは、人にも環境にも優しい耐久性に優れた素材で、従来のものよりきめ細かく、肌触りのやさしい畳表との事です。
この畳は、地元の「山本製畳店」さんで施工していただきました。
生産者の名前の入ったシールと、取扱説明書が付けられています。
昔ながらの日本瓦・赤杉の天井・いぐさ畳の中に居ると、気持ちが落ち着いて日頃のストレスが消えていきそうな感情になります。
また、築80年経っていても、この様にリフォームしていけば、これからも何十年と住む事が出来ます、建て替えて使い捨てるのでは無く、適切にリフォームして物を大切に永く使うことも、
環境に優しい住まい方だと思います。
上田産業(株)一級建築士事務所
木工房 まつや