日本の伝統工法が活かされています
お寺の本堂が新しく建て替えられました。
以前の本堂は、三百年以上も前に建てられた建物で、老朽化に加え
現在の建築基準法に適合した、地震に強い建物へとの願いで計画されました。
日本の伝統工法で木造瓦葺き、壁には土壁・漆喰が使用されていて耐火と調湿機能
を兼ね備えています。
土台、柱などには、国産の桧やケヤキ、梁や床板には数年前に伐採し乾燥させた
国産の松が使用されています。
史跡調査に始まり、地盤調査、地鎮式、地盤改良工事、上棟式などの工程を経て、
この度の完成となりました。
欄間などは既存品を化粧直しして再生されました、また、これから何百年も先へと
引き継がれることと思います。
日本の伝統的な建物は、見た目の美しさもありますが、再生できる良さがあります。
ケヤキ・桧・松など木目の美しさと耐久性能、木製建具・ふすま・漆喰壁・畳などは
見た目と共に、日本の気候風土適した調湿作用を発揮してくれます。
あらためて日本の伝統的建物は、自然素材を使って伝統的な工法で未来に継承して
行かなければならないと確信しました。
この本堂の再建にあたり、設計監理と云う重要な職務のご縁いただきましたことを、
地域の皆様に感謝しお礼申し上げます。
上田産業(株)一級建築士事務所